快速登山
スカイランニングの定義は、FAST&LIGHTなスタイルの快速登山、
とされています。
もともと、たまたま見ていたNHKBSのUTMB特集の映像で、
山の稜線を気持ちよく走る選手が映し出され、
自分も、あんなところを走ってみたい、と思ったのが、
この競技に関心をもった始まりです。
その後、色々調べてわかったのは、
いわゆるウルトラ系のトレイルランニングと、
垂直方向への距離を短い時間で駆け上るスカイランニングとは、
似て非なる競技だということ。
何年もトレランをやっていて、
やはり自分の体では、ウルトラ系のトレイルランは、
体力的な面で難しさがあり、
とはいえ、せっかく走ることを専門にやってきたのであれば、
場所を選ばず走れるようになりたい、という欲求もあり、
そうした結果、
自分にとって、このスカイランニングが、山を走る最適解に思えてきた、
という経緯があります。
おんたけスカイレースではじめて松本大君の山を駆け下る様子を見たとき、
あまりのカッコ良さに憧れ、
猛スピードで山を駆け上る上田瑠偉君の映像を見て、
その偉大さに感銘を受けました。
160kmも100マイルも山の中を走り続ける異次元の身体能力も偉大ですが、
自分にとっては、あのスピードこそが、
まだこれから身につけることのできる残された能力に感じました。
そこで、昨年からJSAに登録し、いくつかの大会に出場。
そこそこの手応えを感じ、
今年は、なんとか1ポイントでも獲得して(対象レース30位以内、年齢無差別)、
グランドファイナルに出場、を目標にしてきました。
そして、念願かない、昨日のびわ湖スカイレース出場となりました。
先週の上尾ハーフで、一気に筋力が戻り、
脚の力強さが実感できる状態。
さらに、疲労の状態も悪くなく、
3週前には烏帽子にも登っていることで、
おそらくコンディション的には、これまで出場するスカイレースではベストの状態。
走る前から、ペース配分さえ間違えなければ、
そこそこの走りができるのではないか、と。
1回目の山登りは、走れる程度の傾斜でしたが、
極力ピッチを狭め、体力温存。
山頂まで、かなり余裕を持って踏破。
山頂から稜線を走って下りに差し掛かるとき、
自分が目指してきたスピードで山を駆け上ることが、
ようやくできた気がしました。
その後の下りが想像以上に急峻で、
かなり脚を使いましたが、まだ余裕はあり。
2回目の登山は、こちらは本当の登山。
走るのは完全に無理な直登で、
ひたすら四頭筋に力を込めて一歩一歩。
それでも、時折駆け上る元気もあり、
こちらも余裕を持って山頂へ。
途中、「28位です」と言われてから、何人か抜いたので、
かなり順位は良く、想定していなかったポイント獲得も見えてきて、
さらに元気が出てきました。
最後にゲレンデ一気登りの修羅場がありましたが、
そこは気持ちで登りきり、
いよいよ最後の900m(標高差)一気下り。
さすがに脚が残っておらず、
ラスト2kmで一人に抜かれ、ラスト1kmでは痙攣が始まりましたが、
なんとか気力だけでゴール。
スカイレースで、はじめて走り切りました。
終わった瞬間、
目指していたのはこの走りだ、と、
ようやく、描いていたスカイランニングができた気がしました。
ただ、ゴール後、低血糖症状が出て、
1時間以上動けなくなり。
これがもし、20kmでなく30kmのレースだったら、
おそらく途中棄権でした。
だから、やっぱり、まだまだ、自分にはここまでの距離でないと、
勝負できないのだな、と。
これは、来年への課題です。
今シーズンはこれで終了。
4戦走りましたが、まともに走れたのは距離の短かった富士とびわ湖のみ。
来シーズンはまずは初戦の最難関上田をまともに走ることを第1目標にしたいと思います。
そして、一度は2日に渡るコンバインド(バーティカルとスカイ)にも、
挑戦したい、とも。