真のエリートではない
スカイランニングジャパンシリーズの最終戦となる、
志賀高原エクストリームトレイル。
台風の影響で、近隣の交通網は遮断され、
果たして開催されるのだろうか、最後までわかりませんでしたが、
「我々は、我々のできることをやるだけ」という、主催者の強い意志により、
当日も明け方からの土砂降り&猛烈な強風という、
文字通りエクストリームな条件の中、大会は決行されました。
序盤でコースロストし、40分以上のタイムロスの中、
順位もそこそこに入れ、このロスタイムを差し引けば、
ポイント獲得&今年ではエリート認定の30位は余裕だった昨年度大会。
なので、普通に走れば結果は自ずとついてくる、
はずでした。
今年は、完全に疲れを取って調整もし、
調子自体は万全でしたが、
なんといっても、山は2か月間もご無沙汰。
そんな状態で山を走れるほど甘くはありません。
足が軽いのに、山へ行ってない、距離踏んでない、
というのは、もはや死亡フラグです。
スタートは、なぜかみんな遠慮して、後ろに回るので、
最前列ど真ん中のポールポジション。
映像で見ると、若者たちに混ざって、変なおっさんが一人いるぞ、な絵。
スタート時には雨も止み、気温も低すぎず、突風だけが厄介でしたが、
まあ、去年の4度土砂降りに比べれば、天国のような条件。
せっかくのなので、トップレベルはどんなスピードで、
この急斜面を登っていくのか、初めだけ試してみると、
恐ろしい速さ。50mでついていくのをやめました。
こいつら、5000mも14分台でいっちまうに違いない。
最初の500m一気上りは、とにかく温存。
走れそうでも走らず温存。
山頂から一気に下ると、そこはもう、
トレイルというより、ほぼ川と化した泥濘区間。
どこに足をついても足は持っていかれる状態。
人生初の転倒を経験すると、
もうどうでも良くなり、転びながら、
転がりながら、そして、水溜りに頭から突っ込みながら、
もはやなんのスポーツかわからない。
どろんこや水たまりは膝付近まで深く、
知らず知らずのうちに体力が奪われていく感じ。
序盤は3人の集団になり、
1番後ろにつけて、温存。
したつもりが、たぶんここでかなり使ってたんだろうな。
結構早いペースだったみたい。
中間地点にある山登り二回で、
想定した以上に足を使ってしまい、
上りが走れなくなってくる。
後半戦の、文字通り「山場」は二箇所のゲレンデのぼり。
しかし、戦前に聞いていた「壁のようなゲレンデ」の存在は、
1回目のゲレンデと勘違いして、ここで足を結構使ってしまう。
そして、本命ラスボスゲレンデが登場したラスト7km地点では、
まったく心の準備も体の準備もできておらず。
斜度45度近い傾斜に、ついに立ち止まり、
WALK&JOGならぬ、WALK&STOPで、牛歩戦術を。
「壁」の終盤は、体に力が入らなくなり、
痙攣も始まる。
しかし、今回、初めて国定公園内がコースに設定され、
その区間1.5kmは走行禁止に。
ちょうど、この足が終わった後に歩行区間に移行し、
他の選手と差がつきにくい状態に。
ところが、ちょっとした上りに入ると、
もうフラフラな状態になり、
ついに、その場に座り込み、寝転がり、
走行不能に。
ああ、この感じは、たぶん、ハンガーノックだ。
最終エイドでちゃんと食べなかったのがまずかった。
あの、ラスボスで全てを使い果たし、脳にも糖分が行かなくなってしまった。
残り5kmなのに。
順位的には、間違いなく30位内であるのはわかっていましたが、
こんなところで寝ていたら、たぶんあっという間に抜かれる。
所持していたカロリーメイトとポカリを摂取し、
なんとか歩ける状態に。
しかし、無理に走ったところで、
今度は足が猛烈につってしまい、
その場に倒れ込む。
本当にたまたま、そこでお弁当を食べているおばちゃん2人組がいたので、
人生で初めて「助けてください」といってしまい、
ストレッチをしてもらい、なんとか回復。
残り3kmで、本気で棄権しようとも思いましたが、
なんとかジョグができるようになったので、
そのまま、とぼとぼとゆっくりジョグをして、
最後の2kmを走り続け、
なんとか完走。
そして、順位は、なんと22位。
ロストした去年よりも3分しか速くないのに。
だめでしょ、これでエリートは。
30分近く寝転んでたのに30位以内に入れちゃうとか、
フルマラソンなら、最後の10kmを歩いた感じなのに、エリートとか。
まだまだなんです、このスポーツは。
こんなポンコツでも、エリート認定されてしまう。
海の向こうでは、若き真のエリートが世界チャンピオンになっているというのに。
エリート認定された者だけが出場できる、
11月の「グランドファイナル」に出るかどうかは、
もう少し考えます。