名誉会長のRunブログ

ヤクタターズ名誉会長の活動報告

お腹で走る③

ただ、このフォームで走れるのも、
まだジョグのペースまでです。

閾値ペースまで上げれば、元のフォームに戻ってしまいますし、
キロ3なんてもってのほかです。

そりゃそうですよね、
このフォームで30年以上も走ってきたんですから。
いきなり直すなんて、
利き手を変えるくらい難しいことです。



そして、自分の幼少期を振り返り、
なんでこんな走りになってしまったのか、
自分なりに考えてみました。

だって、
多くの子達は、こんなこと考えなくても普通の走りができていますから。


考えられる一つの大きな要因は、
自分が、周囲の中で一番足が遅かったこと。
3年生で50mに10秒かかって、みんなに笑われたのを覚えています。

負けず嫌いな自分は、とにかく速く走りたい一心で、
できるだけ足を早く動かそうとしたのを、今でも覚えています。
気持ちだけが前に前に、と。

でも、人間の体は、
速く動かそうとすると、体の中心から遠いところばかりが速く動くんですよね。
膝から先とか、肘から先とか。
体幹に近いところは、もっと全身の力を抜いて、
柔らかく動かさないと動いてくれないんです。
自分は、いつもガチガチでした。
速く走ろう、速く走ろう、と。


さらに、変な走りに追い打ちをかけたのが、
中学時代の友人からの一言。

「かかとから足ついたら、短距離なんか速く走れるわけないじゃん」

え、みんなかかとついてなかったの!?
と、もうその時のショックたるや、
自分の走りを変えてしまうには十分なほど大きなものでした。

もうその日からつま先走りですよ、インターバルなんかも。
ものすごく疲れましたが、確かに速くなりました。

しかし、今にして思えば、この走りは、さらに膝から下に力を入れて、
腿の力で強引に脚を引き上げるフォームを完成させてしまったのだな、と。

まあ、中学生の子どもには、わかるはずもない理屈でしたね。





昨日はそうした意味で、一筋の光明が見えたように感じましたが、
そんなことでフルのベストが出るほど甘くはないのは重々承知です。
しかし、この歳にして新たな気づきがあり、新たなことを試せることは、
まだ自分には切れるカードが残っていることでもあると、
少し、前向きな気持ちになりました。